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2.我が家のスピーカー
まず最初に、一般のシステムと大きく異なるのはスピーカー部分ではないかと思いますのでここから話します。
今は右写真のエンクロージャー(スピーカーBOX)には我が家のオーディオ紹介にあるようにDDDS5 IIがはまっていますが、当初はTechnics
EAS-16F20と言うフルレンジスピーカーを付けておりました。しかし、このスピーカーは高音域が大きい音となることから低音域をアンプで調整して聞くつもりで少し大きめのエンクロージャーとしていたため低域が出ず高音域のがさつさが目立つこととなり長時間聞くのはつらい物となってしまいました。そう言ったわけですぐに使わなくなっていました。
その後、ALPINE DDDS5 が販売されました。スピーカーの特性からエンクロージャーが若干小さいような感じとなりますが、前回の反動もあり少し小さめでも良いのではと言う気持ちになっていました。更に丁度エンクロージャーの穴にも合うことや防磁であること、雑誌での評判も上々の様でしたので、これを購入しました。
残念ながら、聞いてみると“目の覚めるような音”とは行かずやはり高音域部分に不満が残り、フルレンジスピーカーの限界を感じるものでした。これ以上手を加えることには躊躇しましたが聞かないスピーカーを置いておくのもどうかと思いまして、ツイーターを追加することとしました。
考え方が“何とか聞けるようにしよう”と言うことでしたのでお金を掛けずシンプルな方法とすることにしました。
幸い、ALPINE DDDS5 IIはフルレンジですので高音域に不満が残るとは言え元々1つのスピーカでも鳴らせるほどですからツイータとのつながりはマイルドな特性となる6dB/oct型のネットワークとしシンプルな構成で良いであろうと考えました。また、ウーハーとツイータの音の大きさを調整するためのアッテネータは音質に悪影響があるとも言われていることや、構成が複雑になることから付けない方向としました。次にツイータの選択ですが防磁型のリーズナブルなツイータとしてFostex
FT27D(防磁ドーム型ツイーター)があり、これが合わないかと考えました。
そこで、問題となるのが各スピーカの能率です。ツイーター、ウーハーのどちらかが大きな音で鳴るとアンバランスな再生音となってしまいます。各スピーカの能率である1ワット当たりの出力音圧レベルは ALPINE
DDDS5 II(ウーハー部)88dB/W、ツイータは90dB/Wでツイータの方が高くなりますが、スピーカの電気の流れ安さを示すインピーダンス(低い方が流れやすい)がウーハー部6Ωツイータ部8Ωとなりウーハー部の方が流れやすいため同一電圧では大きなワット数となることがわかります。そこで、計算したところ1V当たりの出力音圧レベルがウーハー部80.2dB/V、ツイーター部81.0dBとなったため、いくらか高音域が大きく成りますがスピーカー自身の変動幅から考えると許容範囲と判断し、このツイータが適当であり当初の目標通りアッテネータ無しとしました。
ネットワークも以前買っていた6.8μFのコンデンサーがあったため3kHzのカットオフ周波数としそれに合うコイズミ無線のコア入りコイル0.3mHとしました。
ツイータを買ってから説明書を見ると規格表に“3kHz(12dB/oct)以上”とありましたし、スピーカーの作成記事でもツイータの許容限界より十分高音部分である方が音質的によいと言うことが載っていましたので5000Hz程度ともう少し高音側でのカットオフ周波数の方が良いようです。現在の所、私が大きい音で鳴らさないためかツイーターが壊れると言った障害は発生していません。
ツイーターについてはコイズミ無線で販売している小型スピーカー用のエンクロージャー“SV-70”1個\980です。
最後に音質ですが、ここまで延々書いて“音が悪かった”と言うことはないわけで、高音域のがさつさは陰を潜め低音域も計算値では多少小さめに出るはずですがDDDS5をフルレンジとして鳴らすよりも豊かに聞こえます。チェックCDの低音域から高音域までの連続音を録音したスイープ信号を聞いてみると低域側に膨らみがあるように感じられますのでエンクロージャーの容量不足が影響しているようです。ツイーターとウーハーのつながりは自然なつながり方で、ウーハーをフルレンジとする場合には6dB/oct型のネットワークで十分ではないかと思いました。
測定器がないので実際の数値的データは不足していますがスピーカー作成の参考となれば幸いです。また、文中の計算が誤っていましたらご指導頂けるようお願いいたします。
DDDS5関連リンク
スピーカー設計プログラム
オーディオ工作のページ
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