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C.有事の潜水船輸送について2005/03/11、2005/06/21追加修正
●有事の可能性と対処について
ソビエトが崩壊して以来。世界は冷戦を終え紛争が起きつつも一応の安定期を迎えているように見えます。
そんな中ではありますが、我が日本にはアメリカと共に本当に我が世の春がやって来たと言えるのでしょうか。
私は、そうは思っていないのです。
ソビエトの次ぎの大国は取りも直さず中国です。
さて、なぜに中国を注目する必要があるのでしょうか。
まず、中国が日本と対峙する動機が何点かあります。@中国が力を付けている事や覇権的な国家であること、A中国が民主化のもとに物質的反映を目指し資源確保の観点で先進国、とりわけ中国から近い日本と反目すること、B中国の民主化が新たな階級を構成することから低位階層の不満のはけ口として日本が取り扱われることがあります。
次に、アメリカが中国に対してはソビエトほど敵対していないことがあります。それは、事実上中国がゆっくりと民主化を進めていることと、歴史上、アメリカは日本と中国を天秤にかけてアジア外交を行っていると言うことがあるように思えます。つまり、アメリカとしてみれば日本が本当に中国に負けてしまうか、中国の覇権主義が増長されない限り日本を援助する理由が無いのです。さらに、日本は台湾に比べてもすぐ攻め落とされるほど中国に近くないですし、国の規模も相当に大きいためアメリカにしてみれば少々のことで助けを求めず自分で解決しなさいと言うことになるでしょう。
さて、日本と中国の衝突はどの様にして生じるものと考えられるでしょうか。
武力衝突が唐突に起きることは無いでしょうが、既に大陸棚のガス田開発や潜水艦が領海侵犯するなど有る程度表出しているといえるでしょう。まずは、この様な中国の軍事力を背景とした脅かしと、従来より行われている二次大戦の戦争責任を追及する形での国力減退と考えられます。
これらに対して我々はどのように対処したら良いのでしょうか。
いま一度、状況整理と確認をしますと、
@日本の武力強化が二次対戦の戦争責任の追求として攻撃対象となりやすいこと及び日本人自身も二次戦の反省にたって強大な武力を持つことがよいと思っていないこと
A資源争奪が焦点となった場合に日本の弱点であるエネルギー問題と食糧問題に最も重大な影響が及ぶこと
B先の潜水艦領海侵犯やガス田問題などを考えると中国との対峙は段階的に進むものと考えられること
C段階的に進む対峙(冷戦)が長期間になることも想定されることからこの間の物質的経済的損失を避けること
D仮に武力衝突に至っても、防衛することが限界であり中国を武力で屈服させることは困難であること(攻め滅ぼすことは出来ない)
E米国を最終段階まで頼みにできないこと
と言ったことになるでしょうか。
結局、中国との対峙は物質文明の拡大と資源が有限である限り避けられず、中国との対峙の解決は主に日本自身行う必要があります。これへの対処としては、エネルギー問題と食糧問題が顕在化しないよう海外資源の確保及び有事における輸送系の確保と国内生産の確保、資源節減計画、配分計画が必要となり、武力については最終的な武力衝突を想像しながらもいきなり武装力の増強では無く、経済性(長期戦)を見据えて段階的なメニューの準備とメニューの発動基準の整備も考えておくことが望ましいものと憂慮するところです。
●有事に有力となる食料・燃料・原材料の潜水輸送系について
随分長い前振りになりましたが、今回は、対応策の極一部である「有事における輸送系の確保」について述べたいと思います。
ここにもある程度書いていますが、エネルギーと食料は我が日本の弱点であり、これが欠乏することは、国家活動と国民の生死に関わるといって差し支えないものと思います。当然、エネルギーは輸入しなくては全くと言って良いほど需要を満たせず。我が国の第二次世界大戦の開戦理由が米国からの禁輸であり、敗因が大きなもとのとしてインドネシアからの輸送系の遮断があることから二次戦以上の消費量となっている今では当然この頃以上に重要であることは書くまでもないことかもしれません。
食料については自給率をみればわかることです。今の農地をフル活用して何とか賄えるとの試算が農水省より出されていますが、実際には貯蔵している人でも将来を考えて出し渋る可能性があったり、混乱による分配の不均衡、暴動や略奪の際に汚損したりする損失が起きるものと思うので、不足が生じた場合は非常に危険であると思います。短期的には貯蔵分もあるので何とかしのげるとしても、食糧増産体制、分配体制が整うまでの中期的な不足が生じる場合には、食料は食べなければ死んでしまうのですから足りない分の人は死です。1%足りないだけで120万人がお亡くなりになります。
これらエネルギーと食料の2つは、当分の間(ほとんど未来永劫)輸入に頼らざるおえないので、輸入先の確保は当然のことながら、輸送が出来なければダメなわけですから、随分過去に中曽根元総理がシーレーン防衛などと言い出したのは当然なのです。ただ、防衛とはいえ武力ですし広い海をどうやって全域にわたって守ることが出来るかを考えなくてはなりません。さて、それでは敵はどのような攻撃を仕掛けてくるのでしょうか。二次大戦の際には輸送船破壊には潜水艦が使われたところですが、秘匿性や行動範囲の広さを考えるとこれがいまだに効力を持っていると思われます。これも当然ですがエネルギー・食料等の莫大な物量輸送には空輸は不可能で船しかありません。というわけで目には目を潜水艦には潜水輸送船が有効ではないかと思うのです。武力にもなりませんし、秘匿性も高く、ある程度の大量輸送にも耐えられそうです。幸いエネルギーや食料は液体、紛体、粒体の形でハッチの大きさを小さくせざるおえない潜水船でも輸送可能な様に思えます。実は、潜水輸送船の発想はすでに過去にあったもので小学生向きの兵器図鑑である「学研のエックス図鑑 潜水艦」にイギリスの鉄鉱石輸送船水船「モビーディック」とエッレクトリックボート社の「原子力タンカー」が計画例としてあがっていました。皆さんも聞いたことが無いと思いますが、これらの計画は実行されていないようで経済的には難しいようです。
これも、経済性から言っても今からどんどん作って準備することは難しく、紛争が起こりそうな雲行きになったら増産できるような体制を整えることが限界ではないかと思います。具体的に、平時として最低限行っておくのは量産体制を目的とした実験船の作製と運用試験及び乗員確保・訓練程度ではないかと思います。(経済戦争を戦うなかでは)
これにしても、そのた兵器と同様に不敗体制の堅持を示すことによる抑止効果で紛争にまでならずに収まってくれることが最も望ましいことに変わりはありません。
さて、紛体・粒体輸送システムは基礎的原料について相当な物でも運べそうです。粉体・粒体化設備が現地にあれば小麦粉などにとどまらず石炭や鉱石も輸送可能と思われます。日本では生産設備はある程度そろっているので、供給が行われれば物質的に負けることは、まずあり得ないものと思っています。
中国への対応を抜きにして発展的に考えれば、これらは平和的なシステムですし、輸送システムを背景とした国家間条約や同盟が出来れば、○○条約機構の様な輸送網を創出して日本がシステム提供や運営を行うことによって存在を確固たるものとすること夢想してしまいます。需要側と供給側のアンバランスを解消する必要がありますが。
●製品の潜水輸送手法の事例提案2005/06/21追加
上記では、結局、輸入側の原料等として液体輸送及び紛体輸送について潜水輸送船を構想することを示してみましたが、これだけでは、輸送網を確立したとしても利益が主に我が国にしか及ばず、紛争に突入した際に他国の賛同が得られにくい可能性が高いと考えています。
そこで、今回は、製品の潜水輸送船を考えてみました。
製品の潜水輸送については、水密を保つ必要上から貨物室を指令・居住室等の人間の出入りが可能な形(以後「可住領域」と呼称」)にしようとした場合ハッチが大きく出来ず、大きな製品については部品の運搬等に制約されてしまいます。
そこで、貨物室は可住領域と分離して、水が入る構造としてはどうであろうかと言う考え方です。水密は水密コンテナをつくり、その中に製品を入れて運ぶわけです。水密をコンテナに依存できれば、運搬する製品にもよるかもしれませんが、内圧を加圧し潜行深度の向上または、コンテナ重量の軽減を図ることも可能と考えています。出来ればトラック、重機等の車両が自走して中に入れるぐらいの大きさのコンテナーが良いのではないかと思っています。
イメージが湧きやすいように、下図のようにイメージ図を作成してみました。
コンテナと潜水輸送船の縮尺が違っていますがその辺はご容赦ください。
その他のアイデアとしては水の走行抵抗を減らすさめ常設の司令塔は廃止し、浮上時にはせり出し式の指令所とする。潜望鏡はテレビカメラに出来るため、シュノーケルと一体で可倒式とする。動力は燃料電池による電磁推進式を最終目標として、現時点では燃料電池、モータースクリュウ式で進め、載せ換え可能な様に設計するのが良いのでしょうか?音がしなければ秘匿性は増大します。などと色々素人考えをしてしまうのです。
こんな感じで、製品輸送も出来れば資源供給国にも利益を産むことが出来るので、物流輸送国家間条約が結び易くなるものと夢想が更に拡大するのです。
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