戻る 目次ページに戻る
10.分野別エネルギー消費について2002/06/23作成
エネルギーについては話題になることが多いので色々書いているところですが炭酸ガスの地球温暖化については反論意見も幾らかあるようですし、エネルギーの逼迫問題もメタンハイドレートが現実化すれば相当先の話しになりそうです。供給側に問題が無いとしたら、エネルギーに関する問題は実はたいしたことでは無く金ずるを引き出すためや身分の固定のための単なる方便なのかもしれませんが、それは脇に置いといて取りあえず問題があると思いこんで書きつづけてみましょう。(西洋人ほど厳密でなくいい加減な性格なもので)
特に本ページでは素材のエネルギー消費や石油の代替エネルギーについて書いているところですが、素材生産のエネルギーが日本の全消費エネルギーのどの程度に及んでいるのか考えてみたいと思います。
下に、示している円グラフの様に日本では主な素材生産(化学、鉄鋼、窯業土石、紙・パルプ)の産業に必要なエネルギーは約31%にも及んでいます。海外輸出分も含まれているでしょうが実に大きな比率です。今まで述べてきた鉄鋼が11%を占めるほか化学工業ではそれを上回る14%となっています。これらに比べ機械等の物理的加工業はエネルギー消費としてさして大きな比率を占めてはおらず、物質の化学的変換に相当なエネルギーが消費されている実態がわかってきます。
このことからも、化学的変換を経る必要が少ない素材である木材産業を単純に森林保護の観点から排除するのではなく、もっと見なおす必要があるものと思ってしまいます。
最近、化学工場や製鉄所等での事故のニュースも散見されており素材産業が余裕のない状況なのは承知です。これ以上攻撃してどうするんだというような部分もあるのですが、省エネ問題等では効率化の話しはあっても産業の転換縮小の話しは余りされないようなのであえてさせて頂いているところです。
左図 分野別エネルギー消費比率
エネルギー2002 資源エネルギー庁編 簡約エネルギー・バランス表(1999)の合計を円グラフ化
消費合計は15,565×1015J
窯業土石:焼物、ガラス、セメント等
なぜか資源エネルギー庁のウエップページやその他のウエッブページでも産業別にグラフ化されたものが見当たりません(白書の方ではあるのに)。
資源エネルギー庁は経済産業省の下にありますので産業間の不和に配慮しているのでしょうか?
このグラフを見ていると素材産業以外では民生部門(家庭、ビル、ホテル)や運輸部門の割合が大きいことが分かります。家庭用では燃料電池等によるコジェネレーション化や高断熱高気密住宅による効率化、ダム河川地下水の冷熱利用(利用水は還元が前提)、運輸部門は自動車が主な消費を占めていますのでハイブリッド化や鉄道、船舶の利用方法の見なおしによる効率化を行うことで相当大きく削減できる様に思えますのでここから手をつければ利便性を落とさずすむかもしれません。
財団法人省エネルギーセンター 最終エネルギー消費量とエネルギー起源
各部門別エネルギー消費が掲載
戻る 目次ページに戻る